七夕の日に、長女が「今日は七夕だから、天の川見える!?」*1と目を輝かせて尋ねてきたので、
『よっしゃー、パパが天の川を見せちゃろう!!』
と一念発起して天の川を撮影することに。
とはいえ、明日は月曜日…、撮影のため最寄りの天文台*2に向かうのは時間的にも体力的にも厳しいため、家のベランダから撮影することに決めた。
撮影前の事前準備
そうと決まれば、星の撮影のために必要な確認を、と 今日のほしぞら - 国立天文台暦計算室 で、夜間(日が完全に沈む時間以降)における、月*3と、天の川の位置を確認。
この日は23時以降であれば月が地平線より下に沈むので問題なさそう。
さらに、幸運にも、23時ごろから、ベランダが開けている方角 真南に天の川が見えることを確認。
※ 通常の星撮影であれば、事前にGPV 気象予報で撮影予定時間の雲の様子を確認するのだけど、今回は、直前(その日の夕方ごろ)に撮影を決めたこともあり、実際に目で、雲の様子を見て感覚的に問題なさそうだったので問題無しとした。閑話休題。
家のベランダから撮影することに決定。
撮影
試し撮り
MFに設定して、一番星を頼りにピントを無限遠に固定。*4
まずは、10s, F5, ISO3200 で試し撮りし、空の状況を確認。
光害のひどい西側を避けて、天の川が南側に見えることを確認。
本番撮影
1枚撮りでもかろうじて天の川が確認できるものの、娘に見せるには流石に厳しい*5と判断し、レンズの撮影範囲と露出設定を調整し、本番撮影に。
後ほど複数枚をRAWファイルのまま合成する*6ことを念頭に、20枚ほど撮影。
15s, F4, ISO3200 で撮影。未現像だとこんな感じ。
適宜カメラをセットしたあと、Imaging Edge(スマホアプリ)でカメラにリモート接続。家の中から連続撮影をONにして、自動で撮影。
ワィ、エアコンの効いた部屋でネットサーフィンをしつつ勝利を確信。
行った現像処理
Lightroom ClassicでHDR合成
撮影開始直後のブレたもの*7を取り除き、RAW画像を5枚合成。*8
星景写真の場合、かなり強烈に現像処理でパラメータをいじるため、少しでも階調情報を増やそうと思いRAWファイルをLightroomでHDR合成。改めて考えてみるとこの合成にそんな効果はなく、意味はなかった。
Lightroom Classicで調整
基本的な調整のみ。
- 色温度の調整
- 部分補正
- トリミング
Google Nik Collectionで調整
- Dfineでノイズ低減
- Color Efex Pro2 で、プロコントラスト > スカイライト > ディテール強調 のフィルターを重ねがけ
- フィルタの選択意図は以下の通り
- プロコントラスト: コントラストの調整(天の川を気持ち強調)
- スカイライト: 全体的な色調の調整
- ディテール強調: 天の川のディテールを強調 (周辺はポイント指定し、-調整で抑えめに)
最終画像とその後の顛末
「天の川」が写っていると分かる程度には、なんとか見れる形になった。*9
朝、長女に見せたところ、感動していたので目的は達された。*10
かくして父親の威信は守られたのである。まる。
*1:おそらく、「織姫と彦星が天の川を渡って出会える日だから、当然、空には天の川がかかっているはず」という意図。と解釈した。
*2:「最寄り」と言っても車で1~2時間かかる。
*3:月は天体の中では桁違いに明るいため、月明かりがあると、天の川はまずまともに映らないため。
*4:所有レンズの個体差なのか、無限遠(星)にピントを合わせると、カメラの画面表示上の無限遠よりけっこう手前に…(いわゆるオーバーインフになるレンズ。)。以前に、メーカーのメンテに出して問題なしと言われたものの、なんか釈然としない。
*5:「よくわからないけど、言われてみるとそうなのかな?」と思いそう…。
*6:星の現像ではかなり過激に調整するので、少しでも現像耐性を上げるべく、LightroomのHDR合成を使用する。RAWファイルのままHDR合成した場合、理論的にはダイナミックレンジとノイズ耐性が上がる…はず。ということを書いてから、この認識が勘違いな気がしてきた。露出を変えずに複数枚撮っただけなので、HDR合成する意味なかった…。
*7:シャッターを押した直後など、カメラにかかったわずかな力で三脚が僅かに振動しているので、ブレが生じる。原寸表示すると星の軌跡がゆらいでいるので分かる。
*8:余談なのだけど、最初、撮影写真(RAWデータ)20枚を合成しようとしたところ、合成処置中にLightroomのメモリ使用量がグングン増えていき、12GBを越えたあたりでエラーが出て合成に失敗した。使用PCのメモリが16GBなので、たぶんメモリ不足が原因。『32GB積んでおけばよかった』と思ったことは言うまでもない…。いあ、まぁ、それにしても12GBもメモリ消費するって何事かおもた。
*9:ノイズ多すぎとか、色の調整がこなれてない(やりすぎ)とか色々課題は山積みではあるのだけど…。
*10:実際の天の川がこういうモヤみたいなものだと説明していなかったので、「なにこれ?」って反応をされないか心配だったのだけど、天文台に行ったり本を読んだりしているおかげか、そこは問題なく、昨晩、目では見えなかった天の川が写真に写っていることに感動していたので、いや、まじ杞憂に終わってよかったッス。